『シャドーハウス』の感想・考察・解説記事を毎話更新していきます。(1話の記事は下にスクロール!)
こんばんは。眼鏡は顔の一部じゃない、全部だ! ライターの雨琴です。『シャドーハウス』を担当しております。
※コメント欄でのネタバレも厳禁でお願いします!
事前知識なしで視聴しましたが、とても不思議な作品ですね。
今のところは少女と少女の心の交流を丁寧に描いた、ほのぼのとした物語です。
ところどころから『本当は恐ろしいグリム童話』的な展開に転がるんじゃないかという危うい雰囲気を感じます。
感情に左右されコントロールできない煤(すす)と。それをまとった貴族シャドー家。その世話をしつつ顔の代わりも務める生き人形。
シャドー家のケイトの生き人形として着任した少女が、心を通わせ、エミリコという名前をもらうまでが描かれました。
早速気づいたこと感じたこと思ったこと考えたことをふり返っていきます。
生き人形は人形なのか
物語冒頭、エミリコと同時にシャドー家に到着した生き人形らしく人物は5名いました。
何か宣誓のようなことをしながら液体を飲んでいます。
ケイトに対しエミリコは自分たちが作られた人形である旨を確認していました。
ケイトの返答自体はそれを肯定するものでしたが、自信を持って断言したというには曖昧さを感じる余地のある演出だったように思います。
何より既製品の人形であるなら、棺桶のごときベッドに入る前に飲んでいた飲料が何なのか気になります。
どこかで拐ってきた人間の子供であったとして、それまでの記憶を消す薬だったとしたら辻褄が合うような。
エミリコの部屋にある膨大なメモを書いたのが誰なのかも気になります。
ケイトは成人する年齢になると生き人形をあてがわれる旨、話していたので、生き人形同士の引き継ぎというわけではないと思われます。
生き人形の部屋もまるで牢屋のような仕様と食事の配給のされ方で、不穏な印象を強めています。
シャドー家の煤は何なのか
シャドー家は貴族であるようです。人数も多く、裕福な暮らしをしていることは間違いなさそうです。
不安や怒りによって分泌が過剰になる煤というものを全身にまとっているようです。
自分たちの顔を見ることはできないけれど、本人の視界を奪うような作用はないようです。
煤はそこら中に付着し、溜まり、すすだるまを作ることや、場合によっては鳥状の使い魔として使役しているかのような描写も見られました。
シャドー家という家柄に由来しているとのことで血縁で遺伝している病のようなものを疑いましたが、婿入り嫁入りしてもああなるのでしょうか。
成人という概念がある上に、生き人形に代わりをさせてまで社交を行っているとしたら、そうやって家族の形を変容、増減させることもありえます。
エミリコの「人ですか」という問いに対してケイトは明確な返答をしませんでした。
人外の一族という可能性も捨てきれませんが、魔術とか呪いの類いでこの生活を強いられているというほうが、物語の雰囲気に見合う気はします。
ケイトの服を着たエミリコに対する反応からも、自分たちの特性に対しネガティブな見解を持っている様子が伺えました。
以上からも、シャドー家の人間は呪いのような望まない力学によって煤をまとい続けていると予想します。
シャドー家の顔を見る方法
シャドー家のお歴々は顔がない、というか見えないので表情がわかりません。
どう演出していくか方法はいろいろあると思っていましたが、横顔で口の動きを見せるというのは感心しました。
エミリコは化粧品で顔の起伏を表そうと試みていましたが、ファンデーションはあっというまに煤の中に埋もれてしまった様子です。
大事に化粧箱を持っていたところからも、ケイトには化粧への憧れがありそうです。
すぐに煤に埋もれるにしても、ファンデーションが定着する肌があったことは確認できました。
呼吸用の穴を確保しつつ、石膏でデスマスクをとれば顔の形を採取できそうです。
しかしこんな色気のない方法で顔を見せる展開は訪れないだろうと予想します(笑)
『シャドーハウス』1話感想
エミリコとケイトの年齢はわかりませんが、文字の読み書きもできない少女と一日中読書をしている様子の少女の異文化交流には夢がありますね。
生き人形はただのメイドと捉えるには無理のある顔の代わりという役割がありますし。
他のシャドー家の人々や生き人形との交流や、もしかしたら外の世界との交流もこれから描かれるのかもしれません。
この物語がどこへ向かっていくのか。現実世界でも分断や隔絶を意識することが多い情勢下において、この作品が時代に担う役割を見届けたいと思います。
今期私が担当している別作品『ゴジラS.P』の記事もよろしければお読みください。
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